【MIXに必須!】イコライザー(EQ)とは?実際の使い方も解説!

赤沢です!

今回はMIXでは必ず使用されるイコライザー(EQ)とはどういうものか、またその使い方について解説していきます。

このイコライザーは歌ってみたMIXをする上で最も重要と言っても過言ではないぐらい重要なプラグインになります。

MIXをしている人はもちろん、歌い手の方々にも知っておいていただきたい内容になりますので是非押さえておきましょう!

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イコライザー(EQ)とは?

それではまずイコライザーがどういうものなのか解説していきます。

イコライザーとは特定の周波数帯域を増減できるプラグインです。

文字で説明するよりも画像の方が分かりやすいかと思います。

このように多くのイコライザーは調整点(バンド)を動かして横軸周波数縦軸音量を調整することができます。

簡単に言うと低音域をカットして(下げて)音をスッキリさせたり、中音域をブーストして(上げて)温かみのある音にしたりといった音の質感を変えることができるプラグインです。

例としていくつかのEQ設定と実際の音を用意したので聴いてみてください。

1.素音源

2.低音域ブースト+高音域カット

3.低音域&高音域カット(ラジオボイス)

 

いかがでしょうか?

3つの音源を聴き比べるとかなり音の印象が変わっていると思います。

 

このイコライザーですが基本的に省略してEQと呼ばれることが多いです。(以降はEQと記載します)

録音をしたボーカル音源をただカラオケ音源と合わせると音同士が干渉して聴きづらくなってしまいます。

そのため必ずEQで周波数帯域を調整し、音同士が干渉しない質感に調整する必要があります。

ボーカルを際立たせるのも聴きづらくしてしまうのもほとんどはこのEQの調整によるもののため、冒頭にも記載した通り、最も重要と言ってもいいプラグインになります。

EQの種類

EQには大きく分けて2種類のEQがあります。

  1. グラフィック・イコライザー・・・決められた周波数帯域で音量を自由に調節できるEQ
  2. パラメトリック・イコライザー・・・周波数帯域と音量どちらも自由に調節できるEQ

それぞれ解説していきます。

1.グラフィック・イコライザー

グラフィック・イコライザー(グライコ)とは可聴周波数帯域(20Hz~20kHz)をいくつかに分割したEQです。

可聴周波数帯域とは一般的に人間が聴き取ることのできる周波数の領域のことです。

このグライコは主に30バンド(30分割されている)程度のものが多い印象があります。

そのためあらかじめ決められた周波数帯域の調整しかできず、細かな調整をすることが難しいEQです。

逆に言えば大まかな調整をするにはちょうどいいため、カーオーディオや音楽アプリの音質設定としても採用されています。

WAVESから発売されている「GEQ Graphic Equalizer」やCubase Artist/Pro付属の「GEQ-10/GEQ-30」などがグラフィック・イコライザーになります。

WAVES GEQ Graphic Equalizer
created by Rinker

2.パラメトリック・イコライザー

パラメトリック・イコライザー(略称:パライコ)とは先程のグラフィック・イコライザーとは異なり、自分自身で指定した周波数帯域を調整できるEQです。

MIX作業では細かな音の調整をする必要があるため、視覚的にも分かりやすいこちらのパラメトリック・イコライザーを使用している方が多いです。

自分の好きな位置に調整点(バンド)を作成し、周波数・音量・幅を調整することができます。

FabFilterから発売されている「Pro-Q3」やiZotopeから発売されている「Nectar 3 Plus」内蔵の「Follow EQ」などがパラメトリック・イコライザーになります。

他にもWaves Platinumに収録されている「PuigTec EQs」のようなつまみを回して調整するアナログタイプのものもありますが、こちらもパラメトリック・イコライザーに分類されます。

EQの設定項目

EQにおいては調整する点のことをバンドといいます。

そしてこのバンドには3つの設定項目があります。

1.Frequency(周波数)

先程も軽く触れた通りEQでは横軸が周波数になるため、バンドを左右に動かすことでFrequencyの調整ができます

基本的に単位はHz(ヘルツ)ですが1000Hz以上からはkHz(キロヘルツ)となるため間違えないように注意しましょう。

また周波数帯域はボーカルの場合、大きく分けて7つの帯域に分けることができます。

こちらは明確な決まりがないため個人的な帯域の分け方と音の印象を書いておきます。

  • 超低音域(~80Hz)・・・主にポップノイズ等の音、一般的にカットする音
  • 低音域(80~250Hz)・・・重くずっしりした音、歪む音
  • 中低音域(250Hz~600Hz)・・・声の芯になる音、なめらかな音、こもった音
  • 中音域(600Hz~2kHz)・・・温かみのある音、生っぽい音
  • 中高音域(2kHz~8kHz)・・・派手な音、明るい音
  • 高音域(8kHz~12kHz)・・・煌びやかな音、ジリジリする音
  • 超高音域(12kHz~)・・・空気感を作る音、キンキンする音

2.Gain(音量)

こちらは縦軸が音量になるため、バンドを上下に動かすことでGainの調整ができます

単位はdB(デシベル)です。

上記画像では分かりやすいよう大げさに調整していますが、大きく変化させると音質が劣化する可能性があるため1つのEQ内では調整値は±5dB程度に抑えておくのがおすすめです。

それ以上調整したい場合はEQを追加して調整するようにしましょう。

3.Q(調整幅)

Qは指定した周波数の幅を決める値です。

上記画像を見ると分かりやすいですがQ値を小さくすると幅が広くQ値を大きくすると幅が狭くなります。

単位は無いのでQ値=0.5のような表記になります。

EQシェイプの種類

先程の3つの設定項目と合わせてEQシェイプと呼ばれるバンドの形も覚えておきましょう。

1.ベル

ベルは画像ような最も多く使われる山のような形です。

先程解説したQ値と合わせて気になる周波数帯域だけをピンポイントで増減することができます。

上記画像では「300HzをQ値=5.0の幅で-5dBカット」「4kHzをQ値=1.0の幅で+3dBブースト」していることになります。

2.ハイシェルフ・ローシェルフ

シェルフは画像のような指定した周波数以上または以下の一定の値を増減する形です。

指定した周波数以下を増減するのがローシェルフ以上を増減するのがハイシェルフといいます。

上記画像では「300Hz以下を一定で+3dBブースト(ローシェルフ)」「4kHz以上を一定で+5dBブースト(ハイシェルフ)」していることになります。

3.ハイパス・ローパスフィルター

ハイパス・ローパスフィルターは画像のような指定した周波数以上または以下を山なりにカットする形です。

これを使用することで録音時に乗ってしまったノイズなどを聴こえづらくすることができます。

またラジオボイス(低音域・高音域を削る=中音域だけの状態)にする場合にも用いられます。

よくある間違いなのですがハイパスフィルター低音域(ロー)をカットするためのものローパスフィルター高音域(ハイ)をカットするためのものです。

パスは直訳すると「通過する」という意味なのでハイパスはハイを通過させるためにローをカットする、ローパスはローを通過させるためにハイをカットするということになります。

混合しないように注意しましょう。

上記画像では「100Hz以下をハイパス」「15kHz以上をローパス」していることになります。

 

EQプラグインによっては他にも様々な形がありますが基本的には大きく分けてこの3つのシェイプがあると覚えておきましょう。

EQの使い方

それではここから実際に歌ってみたのMIXをする際にEQをどのように使えばよいか解説していきます。

今回は先程紹介した2つのイコライザーの中でも使用率の高い「パラメトリック・イコライザー」で解説していきます。

①ボーカルトラックにインサートする

まず最初にボーカルトラックの中にEQをインサート(挿入)します。

インサートされたプラグインは上から順に適用されます。

そのためEQを一番上に挿すのか、一番下に挿すのかでも音が変わってくるため注意しましょう。

②ハイパスフィルターを適用する

EQをボーカルトラックにインサートしたら次に不必要な帯域を無くしておきましょう。

ボーカルなどの生音を録音した場合はどうしてもノイズが乗ってしまいます。

そのため先程紹介したハイパスフィルターを適用して不必要なノイズを消しておきましょう。

ギターやピアノの場合はまた変わってきますが、ボーカルの場合は基本的に「100Hz以下をハイパス」してしまって大丈夫です。

③耳障りな帯域を探す

ハイパス・ローパスフィルターを適用したら次に耳障りな帯域を探す作業に入っていきます。

この時耳障りな帯域を探す方法としてバンドのQ値をある程度大きく(幅を狭く)してブーストした状態で左右に動かしてみるといいでしょう。

これをすることである程度耳障りな帯域を見つけることができます。

またオケと合わせて聴いてみるとオケと干渉している帯域を見つけることができるため、どちらも試しながら探してみましょう。

④その部分をカットする

ある程度不必要な帯域を見つけたらその部分をカットしていきます。

EQの使い方として足りない帯域を見つけるよりも先程紹介したように耳障りな帯域を見つける方が簡単なため、基本的にはカットする(音量を下げる)ようにしましょう。

ブーストする(音量を上げる)場合もありますが、これは「ほぼ完成したけどもう少しだけボーカルを前に出したい」のように比較的最後のほうの処理で使うことが多いです。

 

基本的な使い方としては以上になります。

あとは③、④の手順を繰り返して自分好みの音まで調整するだけです。

もちろんボーカルトラックだけでなく、カラオケ音源や2mixデータ(オケとボーカルを合わせたもの)にEQを使う場合もありますが、全体的に音が崩壊してしまう恐れがあるため慣れてきたら必要に応じて使うぐらいの感覚でいいと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?

冒頭でもお伝えしましたがEQはMIXにおいて最も重要と言っても過言ではないぐらい重要なプラグインです。

しかしMIXにはこれが正解!という音は存在しません。

そのためまずは様々な音楽を聴いて音の違いを聴き分けられるように耳を鍛えましょう。

そして自分好みの音を見つけ、いつでもその音に調整できるようにEQの使い方に慣れましょう。

 

MIX上達のために必要なことについてもこちらの記事で詳しく解説しておりますので是非ご覧ください!

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それではまた!

 

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