今回は意外と見落としがちな「録音時にメトロノームを使用する3つのメリット」について解説していきます。
あなたは現在、録音をする際にDAWに内蔵されているメトロノームを使用していますか?
このメトロノームを使うか使わないかで録音音源に圧倒的な差が出ます。
それでは読み進めていきましょう!
録音時にメトロノームを使用する3つのメリット
基本的にどのDAWにもメトロノーム機能が内蔵されています。
このメトロノーム機能を使うことで下記のような3つのメリットが得られます。
- リズムキープ力UP
- タイミング補正の工数削減
- MIX依頼時のタイミング補正料のコスト削減
1つ1つどういうことか解説していきます。
①リズムキープ力UP
リズムキープとはその名の通り、楽曲のテンポに合わせて一定のリズムを保つことです。
どんなにリズム感がある人でもリズム隊(ベースやドラム)の音が少ない楽曲やピアノやギターの伴奏がメインの楽曲の場合、リズムをキープすることが非常に困難になります。
例として柊キライ様の「ボッカデラベリタ」のサビの部分でメトロノームOFF/ONにした時の音源を用意したので、こちらに合わせて歌ってみてください。
メトロノームOFFの場合
メトロノームONの場合
いかがだったでしょうか?
メトロノームON時の方がテンポを把握しやすく、安定して歌えたという方が多いと思います。
そのため録音時には必ずメトロノームに合わせて歌うようにしましょう。
DAW内蔵のメトロノームをONにする方法は後ほど解説します。
②タイミング補正の工数削減
通常、ボーカルエディットをする際にはピッチ補正とタイミング(リズム)の補正も行います。
これらの補正は1音1音確認してズレが気になる場合は補正をする必要があるため、結構な時間がかかります。
ピッチ補正は音程を捉える力が人それぞれ異なるため、意識しても音程を良くすることは難しいです。
しかしタイミング補正はメトロノームをONにして録音することによりリズムが安定し、補正量が大幅に削減されます。
ご自分でMIXされる方は補正量が削減された分、音源完成までのが作業スピードが格段に上がります。
MIX依頼をされる方でも完成音源が届くまでの時間が早くなる可能性があるため、なるべくタイミング補正量が少なくて済むような音源を送るようにしましょう。
MIX依頼をされる方はそのMIX師さんのサンプルを聴いて、『この人はしっかりタイミング補正をしてくれる人だな』ということを認識した上で依頼するようにしましょう。
③MIX依頼時のタイミング補正のコスト削減
先程解説した通り、タイミング補正にはある程度の時間がかかります。
そのためMIX師さんの中にはタイミング補正を追加料金としている方がいます。
もしくはタイミング補正が元々基本料に込みで、補正済みであれば値引きするという方もいます。(僕はこのタイプです)
録音時のリズムキープが完璧であればタイミング補正をする必要がないため、その分料金が安くなる場合があります。
少しでも料金を抑えたい方はメトロノームをONにした状態で何度も録音をし、タイミング補正の必要がない音源を用意するようにしましょう。
そういった面でも録音時にメトロノームは重要となります。
メトロノームをONにする方法
では実際にどのようにDAWに内蔵されているメトロノームをONにするのでしょうか。
初心者の方でもとても簡単に設定できるので解説していきます。
1.DAW内で楽曲のテンポを設定する
楽曲のテンポの見つけ方、設定方法はこちらの記事にまとめているので参考にしてみてください。
今回は「楽曲のテンポの調べ方・DAWへの設定方法」について解説していきます。歌ってみたをする際にもMIXをする際にもテンポの設定は必ずしたほうが良いです。『でもどうやってテンポを調べたらいいの?』『テンポは分かったけどDAWにどうやっ[…]
2.DAWのテンポと楽曲のテンポを合わせる
小節の頭(DAWのグリッド線)と楽曲のアタック部分(バスドラム等)の位置が合うように調整します。
3.「メトロノームクリックを有効化」を選択
これで録音時にメトロノームONにする設定にすることができました。
今回はCubaseで解説しましたが、今後は別のDAWでも解説していく予定なのでチェックしてみてください。
クリック音を適度な音量に設定し、録音データに入らないように注意しましょう。
まとめ
以上が録音時にメトロノームを使用する3つのメリットになります。
僕個人の考えとして歌が上手い=音程が取れていて、歌唱技術があることはもちろん大事ですが、より重要なのはリズム(グルーヴ)感があることだと思っています。
これからの録音時にはメトロノームを活用し、MIX師さんに「おっ!この人上手い!」と思ってもらえるような音源を渡せるようにしましょう!
それではまた!