【全歌い手必見】絶対に音割れしないようにする方法【プロが解説】

D_MIX(@D_MIXing)です!

私自身、これまで数多くのMIXを担当いたしましたが、

「とても素敵な歌声なのに、録り音が…」

という事例にたくさん遭遇してきました。

そんな中でも、トップレベルに多いのがボーカル音源の音割れです。

これは初心者の方だけでなく、活動歴が長い方、また著名な方でも大変多く発生しています。

そして、この音割れはMIXで綺麗さっぱり取り除くということができません。
したがって、音割れがある音源のMIXを行う際は、音割れの違和感を誤魔化すためにどこかしらの要素で妥協をせざるを得なくなります。

結果的に依頼者さんの全ての要望に応えることができなくなり、MIX師さん、依頼者さんどちらも不完全燃焼のような状態になってしまいます。

そんな厄介な音割れですが、しっかり知識をつけておけば未然に防ぐことができます!

そこで今回は、多くの活動者さんを悩ます音割れ問題を解決する方法について解説します!
この記事の内容を実践すれば、音割れを防ぐことができるので是非ご覧ください!

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音割れとは?

音割れとは、入・出力レベルが大きすぎることが原因で、「ビリビリッ」といった不快な音や圧迫感が発生する現象になります。

また、この現象はクリップクリッピングと呼ばれることもあります。

実際に、元Shated Studio所属の赤沢君によって音割れを再現をしてもらった音源が下記になります。(参考音源:KING/Kanaria様)

①音割れなし

②音割れあり

いかがでしょうか?

音割れしている音源は所々「ビリッ」とした音が聴き取れるかと思います。

また、全体的にも圧迫感があるため、聴いていて耳が疲れるような感覚があると思います。

音割れの判断方法

音源を聴いてすぐに音割れと判断できる場合は問題ないのですが、それが難しい場合もあります。

しかし、分からない場合でも波形を見れば簡単に音割れしているか判断することができます。

キーポイントは「波形の形」です。

下の画像は先程の2つの音源を波形で見た時の画像です。

このように音割れしている波形は上下が潰れて(平坦になって)しまっています

これが音割れ(クリップ・クリッピング)している状態です。

よくある間違いとして、
波形の上下に空白があるから音割れではない
と思われている方も多いのですが正しくは
波形の上下に空白があっても波形が潰れていれば音割れ
となります。

録音をした後に波形を小さくして書き出しを行ったとしても、録音時に既に音割れしている場合は波形を小さくしても音割れは改善されないため注意しましょう。

32 bit floatについて
これまで録音やMIXの経験がある方は「32 bit float」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。

この32 bit floatでの録音はDAW上でエフェクトをかけた状態やボリュームを上げた状態で録音しても音割れが発生しないというメリットがあります。

細かく言うと見た目だと波形が潰れているように見えますが、波形を小さくすると「波形の山が復元できる」というチート技みたいなものです。

ただ、この32 bit floatを扱うためには、PC側のスペックも高いものが求められます。
PCのスペックが追い付いてないと「プツプツ」と音が途切れるようなノイズが入ってしまい、本末転倒になってしまうので注意しましょう!

そのため基本的には32 bit floatに頼ることなくオーディオインターフェースでしっかりと入力レベルの調整を行うことをオススメします。

音割れする3つの原因

では音割れの原因とは何でしょうか?

主な原因は下記の3つになります。

  1. 録音時のマイク音量(ゲイン)が大きすぎる
  2. マイクと口の距離が極端に近すぎる
  3. 録音ソフト(DAW)のボリュームを上げたまま音源の書き出しを行っている

どういうことか1つずつ解説していきます。

①録音時のマイク音量(ゲイン)が大きすぎる

録音をする際、マイクの音量(入力レベル)を上げすぎているとピーク(音の最大値)を超え、音割れが発生します。

これが音割れの原因として最も多いパターンだと思います。

オーディオインターフェースには入力レベルが大きすぎることを知らせてくれる「PEAKランプ」が付いているものが多いです。

このPEAKランプが点灯していると音割れが発生している証拠です。

②マイクとの距離が極端に近すぎる

マイクの入力レベルが適切であっても、マイクと口が1cmも無いくらいの距離だと音割れが発生する可能性が高くなります。

特に、サビですごく声が大きくなってしまうという方は要注意です。

ただ、マイクから離れ過ぎるとまた新たな問題が発生するため、ベストな距離については下記にて解説します。

③録音ソフト(DAW)のボリュームを上げたまま音源の書き出しをしている

『録音した時の波形では音割れしていないのに書き出し後の音源は音割れしている』

このような時は大体各トラックのボリュームまたはマスターボリュームを上げたまま書き出しをしている場合が多いです。

せかっく音割れしないように気を付けていても、「最後の最後でデータをぶっ壊す」みたいなことになるので、こちらも注意が必要です!

絶対に音割れをしない方法

それでは3つの原因を確認していただいたところで、解決するための録音〜書き出し手順を解説していきます。

①口から5~10cm空けた場所にマイクをセットする

マイクとの距離は時と場合によっては変わってくるのですが、自宅で録音される場合は基本的に5~10cmほどがベストになります。

逆に遠すぎると、録音データに入ってしまう「部屋鳴り(反響音)」や「環境音ノイズ」が多くなってしまうためです。
そのため、基本的に宅録の場合はなるべく近づいて録音できるようにゲインを調整することが必要です。

近すぎても遠すぎてもダメなのでなかなか調整が難しいのですが、ここをおろそかにするといくら頑張っても音割れやノイズ問題が改善されなくなってしまうため、実験しながら頑張りましょう!

休憩を挟みながらや数日に分けて録音を行う場合は、毎回マイクとの距離感を同じにしてから録音をするようにしましょう。

「部屋鳴り」についてはこちら↓

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②本番前に仮録音を行い、入力レベルを設定する

本番の録音の前に入力レベルの確認として仮録音を行い、波形が潰れない大きさまでオーディオインターフェースのINPUTのつまみを調整しましょう。

オーディオインターフェースを持っておらず、USBマイクを直挿しで使っている場合でもPC内でサウンド設定を行い、音割れが発生しない大きさに調整しましょう。

ここで1つ注意していただきたいのが実際に録音をする際は曲によってロックやバラード、がなりやラップなど様々なジャンルや歌い方が変わってきます。

そのため『一度入力レベルを設定したから大丈夫!』というわけではなく、1曲1曲ごとに入力レベルを確認する必要があります

曲の最初から最後までを歌ってみて、音割れしてしまった場合はその都度入力レベルを下げるなどして調整しましょう。

最初から最後まで歌うのが面倒な場合は、その曲で一番声を張る部分だけ録音してみるのもOKです。

③本番の録音を行う

本番の録音をする際は基本的に手順②で設定した入力レベルを変更しないようにしましょう!

ただし囁き声などが曲にある場合、そのままの設定だとものすごく小さくなってしまうということもあるかもしれません。

その場合は、囁き以外の部分を全て取り終えてから、最後に入力レベルを変えて録音することをおすすめします!

このようにすることで、入力レベルがわからなくなってしまう問題を回避することができます。

また手順①でもあったようにマイクとの距離間は常に意識して、録音をするように心がけましょう。

④録音が終わったら波形・ボリュームを上げずに書き出しを行う

録音が終わった後は書き出しを行うだけですが、ここも失敗が起こりやすいポイントなので気を付けていきましょう!

音源の書き出し前には、DAW側のボリュームが上がっていないこと(0dBになっていること)を確認してから書き出しを行いましょう。

基本的には何もいじらずに録音された音源のままの状態でMIX師の方に渡しましょう!

もし、下記のNG画像のように波形が小さすぎるといった問題がある場合は、②の入力レベル設定の時点で問題があるので、再度ゲインを見直し録音をやり直しましょう。

1つの目安として波形のピーク(一番飛び出たところ)を-6dB程度に抑えると綺麗な波形になります。

この-6dBは突発的に入力レベルが大きくなってしまった場合の「安全地帯を作る」という目的なので、そこまで厳密に意識しなくても大丈夫です。

 

録音時のゲインは小さすぎてもダメという話が出ていたと思いますが、その理由についてはこちらの記事で詳しく解説しているので是非チェックしてみてください!

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まとめ

いかがだったでしょうか?

今回の内容を正しく設定できれば音割れが起きてしまうことは無くなります!

ただ、少しだけ音割れしてしまったけど、めちゃくちゃ上手く歌えてたからこのテイクを使いたい…!

という場合は、『iZotope RXシリーズ』というプラグインを使えば、かなり改善することはできます。

このRXシリーズに付属している『De-clip』という機能を使うと、小~中程度の音割れならある程度修復することができます。

また、RXの他の機能を使えば、音割れの修復だけでなくキー変更時の劣化も抑えることもできるので、最終奥義として覚えておいてもらえればと思います。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

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どんなに歌が上手い人が良い曲を歌っていたとしても、音割れをはじめとする「ノイズ問題」があると作品がイマイチになってしまいます。

それを防ぐためにも、今回の記事の内容を実践いただいて、歌ってみた動画のクオリティがより良くなることを願っています!

それではまた!

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